お洒落な邸宅に佇むトヨペットクラウン2000S-3.0
続いては今年創立80周年を迎える日本最大の自動車メーカー・トヨタ自動車が誇る高級セダン、クラウンの二代目モデルにレトロテックカスタマイジングを施したホットモデル、2000S-3.0をご覧いただきましょう。
このクルマは1965年11月に追加発売されたスポーツグレードで、2000デラックスと同じ水冷直列6気筒SOHCエンジンにスキナーズユニオン(SU)ツインキャブレターを搭載してチューンナップを施したM-B型エンジン[総排気量1988㏄ ボア×ストローク75×75mm 圧縮比8.8 最高出力92kw(125㏋)/5800rpm 最大トルク162Nm(16.5kgm)/3800rpm]を搭載したホットモデルとして有名です。
車体サイズは全長4635×全幅1695×全高1460mm、車体総重量1280kgでトランスミッションはポルシェシンクロ・オーバードライブ内蔵5段変速マニュアルフロアシフト、その上乗車定員は5名と、かなり高級感のあるスポーツサルーンらしい内容になっています。もちろんライバルは、当時「羊の皮を被った狼」の異名を持ち若者たちの夢と憧れを誘ったグランドツーリングサルーン・日産プリンススカイライン2000GT-A&2000GT-B[1965~1968、プリンス自動車工業(1965~1966)/日産自動車(1966~1968)]で、同じ2000㏄クラスのスポーツサルーンでもスカイライン2000GT-Bがサーキットで培われた俊敏な走りと野性味あふれるキャラクターでハイウェイの侍らしさを前面に出しているのに対し、クラウン2000Sはその上質感あふれる優雅なルックスにスポーツカーのムードを兼ね備えた紳士のスポーツカーという色を鮮明に打ち出しているところが対照的になっています。
そのクラウン2000Sに、なんとあろうことかチェイサー 3.0アバンテG譲りの7M-GEUエンジンを搭載したのがこのクルマで、電子制御燃料噴射式水冷直列6気筒・24バルブDOHCのエンジンは総排気量2954cc、ボア×ストローク75×75mm、圧縮比9.2-9.8、最高出力140kw(190㏋)/5600rpm、最大トルク255Nm(26kgm)/3600rpm(レギュラーガソリン仕様。なおプレミアムガソリン仕様の場合は最高出力147kW(200㏋)/5600rpm、最大トルク265Nm(27.0kgm)/3600rpmになる)と性能はかなりの強化が進んでいます。しかもトランスミッションはオーバードライブ内蔵4段変速式電子制御オートマチック・フロアシフト。
一見ごく普通に旧車を修復再生したように見えても、エンジンやトランスミッション、さらにはブレーキやサスペンション、インテリアまでアップデートさせてあるなんて、傍から見ても気付かないでしょう。聞いただけでもビックリしますよね・・・・・・。