ひょんなことからかくりよに迷い込んでしまった少女。そこで妖狐に見初められ囲われてしまう。 ある日、かすかな鈴の音に目を覚ます。眠気眼で外を見やると花を咥えた狐が屋敷に来ていたようだ。花に括った文の紋様、訪れた狐の背に彫られた紋から花の贈り主がかの人であるとすぐにわかった。遠征地に咲くカーネーションを見て自身が囲っている愛しい人に想いを馳せ式神を遣わせたようだ。覚醒したばかり、ぽやぽやとした思考で少女も文の贈り主を想うのだった。
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